
あまり語られていない、アプリのグロースハック成功例9選。(コロプラ、カヤック、サイバー、Path、Instagram、ClashOfClans、CandyCrushSaga)
最近いろいろなところでWEBサービスのグロースハックについては語られていますが、アプリに関してはなかなか見つからなかったので、アプリのグロースハック事例についてまとめてみました。
Webサービスの運営のために欠かせない新しい役割「Growth Hacker」とは?
上記などの記事よりグロースハックは、「プロダクトをハックして、自然にユーザーが増えていく仕組みを作ること」と認識しています。
そしてグロースハックを考える上で、「AARRR」というフレームワークがあると、
Twitter、Instagramを導いたグロースハッカーの仕事とは―グロースハッカー徹底解明
で以下のように紹介されています。
・ Acquisition (アクイジション)
サイトやストアに顧客を連れてくる。・ Activation (アクティベーション)
サインアップ等をしてもらい顧客になってもらう。・ Retention (リテンション)
繰り返し利用してもらう。継続的にプロダクトの価値を伝えるのでEngagementとも言う。・ Referral (リファラル)
満足した既存顧客にプロダクトやサービスについての共有や、友人等へ招待をしてもらう。・ Revenue (レベニュー)
優料顧客になってもらう。これを適宜見直し、素早く改善を繰り返していくことで、
グロースハッカーはサービスやプロダクトをグロースさせていく
こちらをアプリに置き換えると以下のようになるかと思います。
①Acquisition:ユーザー獲得。アプリのダウンロード。
②Activation:アプリを始めた時、素敵な体験をして、はまる。
③Retention:何度もアプリを立ちあげて使う。
④Referral:満足したユーザーがアプリを紹介する。
⑤Revenue:課金する。
では、アプリを成長させる5要素それぞれに対して、有効な事例を見ていきます。リリース当初からある機能もありますが、アプリ開発において何かしらのヒントになればと思っています。
①Acquisition:ユーザー獲得
●自社アプリから流す
コロプラのゲームで遊んでいると、このように全画面で自社アプリの広告が出てきます。
フルスクリーン広告を表示させるSDKを提供している「ChartBoost」では、クリック率38.7%、インストール率3.3%と相当効果があるとのこと。コロプラでもうまくユーザーを流していそうです。
●他社アプリから流す
カヤックのチャットアプリ「Lobi」は、開発者に対してチャットSDKを提供しています。
例えば、「ホモォいじり」では右下にチャット導線があり、様々なグループ内で他ユーザーとチャットすることができます。
ちょっと触っていると、ポップアップが出てきて、「無料でチャットを爆速化する方法!」「無料で画像が大きくきれいに!」とLobiのアプリ自体のDLを促します。
LobiのDL数が増えつつ、ユーザーはより快適にチャットでき、「ホモォいじり」自体のアクティブ率も高まる、3者ともにメリットのある非常に良い方法です。
②Activation:はまる
●他ユーザーからの反応を活発にする
サイバーエージェントのペット写真共有アプリ「パシャッとMyペット」で、初めて投稿した時186いいねもつき、Facebookでは10数いいねしかつかないぼくの承認欲求が溢れんばかりの状態になりました。
初めて投稿した写真だけのページがあり、写真を拡大せずともいいねできるので、ヘビーユーザーが「よかったら私のペットも見てね」と挨拶代わりにしているのではと思っています。
他人からちやほやされてる感、求められてる感が最初にあると、その後も継続してそのアプリを使うのではないでしょうか。
●体感を早くする
読み込みが遅くイライラしてアプリを終了したことはないでしょうか?
Instagramではフィルタ加工して「次へ」を押してから、テキストやSNS連携を選択している間に、裏側では写真のアップロードが行われています。
さらにフィードに映った後、「まもなく終了します」を出すため、待たされているという感覚が全くありません。
ソーシャルゲームの多くは、DL後、最初立ち上げた時にはじまるダウンロードにかなりの時間を要します。すぐに遊びたいユーザーはここで離脱する場合も多いのでは。
最近リリースされ(現在メンテ中の)ブレイブフロンティアは、アプリ立ちあげ後ムービーが流れ、その間に裏側でダウンロードされている(気がします)
③Retention:再起する
●気になる通知テキスト
全世界で1日に240万ドル売り上げる、Supercellの「Clash of Clans」は、誰かに村を襲撃された時、勝ち負けを知らせずに「襲撃されたよ」とだけ通知が来ます。
勝敗は非常に気になるので、かならずといっていいほどアプリを開いてしまいます。
勝ったら嬉しくてリプレイを見入るし(リアルタイムの対戦ではないのでリプレイで自分の村が敵キャラと戦っている様が見れます)、負けたら悔しくて村の大砲や壁を強化したり、仕返ししにいったりします。
●通知のタイミング
少人数SNS「Path」では、「(Facebookの友だち)がPathに加入」という通知が一時毎日きていました。これは友だちがPathをインストールした時すぐに送るのではなく、毎日1回通知が届くような仕組みなっていたのでは、と思っています。その通知が飛ぶ度に「◯◯もはじめたんだ、投稿みてみよう」と、既存ユーザーの再起につながります。
④Referral:拡散する
●他アプリに投稿する
Pathでは、「私のPathを宣伝する」→「Instagramで開く」とタップします。
するとInstagramが起動し、アカウント名とアイコンが入った写真が自動で生成され、ハッシュタグつきで簡単にInstagramに投稿できます。Twitter、Facebookにも投稿できます。
●友だち招待
続いては、米国App Storeゲーム売上ランキング、16週連続1位の超人気パズルゲーム「Candy Crush Saga」。
クリアしていくと途中から、課金するか、Facebookの友だちを3人招待しないと次のステージに進めなくなります。
しかも招待したユーザーがアプリが登録して初めて1人と換算されるので、実際に会って「ちょっとやってよ」というコミュニケーションが生まれていると思います。
⑤Revenueについては、また別途記事を書きます。
今後もiPhone/Androidアプリのグロースハックの記事を書いていきますので、よかったら「いいね」等、よろしくおねがいします。